田んぼの吸水状況

 沢水の話題が続く。イネが育っているときはなかなか触りにくいため、今が考えて実行するときなのである。
 
 時々測る田んぼの水量出入りから吸水量も推定している。こういう場合に一般的らしい「減水深」という考え方を適用してみる。とりあえず計測結果は次の通り。
 
田んぼの水量
 
 減水深は、1日あたりの水深の減少値であり、それは
 減水深=根の吸水量+水面蒸発量+耕盤浸透量+畦浸透量で表わされる。(*1)

 参考とした(*1)の論文によれば、根の吸水量と水面蒸発量は3~8㎜/日と私の認識としてはそれほど大きくない。千葉県の場合6ミリ程度を考えておけばいいようだ。これに比べて土壌を経由する浸透量は田んぼの状態や土壌そのもの、ロケーションなどで大きくばらついているらしい。
 あらためて当農場の計測結果を見てみると、梅雨期間の流入量が多かった時期とそれ以降で数値は大きく異なっている。これは、4号の出口から出る水を測っていないため、水余りの時には余剰分も吸水しているとしてしまっているためである。それ以外でみると、概ね20~30㎜内外の数値が並んでいる。
 この20㎜から30ミリ程度という数字は、実はそれほど悪いものではないらしい。同じ論文に「最多収量を示す減水深は20~30㎜の間にある」という記述もある。これだけみれば「それはよかった」だが、実際は最小収量しかとれなかったから真に受けるわけにはいかない。おおもとの式を見直すと、浸透量は耕盤(つまり底)と畦(つまり横)の両方に分けられると書いてある。このうち畦に吸収される水はどうも余り役に立たないどころか、かえって下の田んぼに冷水として涌いたりする害の方が多いらしい。ということで、どこから水が漏れているかも今年は気にする必要があるらしい。まあ、当農場の田んぼの場合、下の方の畦には畦波シートを設置したので、基本的には耕盤からの浸透が主と思われる。
 
 ところで、この30㎜という減水深の量を拡張後の田んぼの面積=1920㎡に当てはめてみると、57.6立米/日=2.4立米/時という数字になる。先日、数量モデルから推定した去年の沢水水量をアップし、2.5立米/時のところにピンクのラインを引いたが、やはりそのくらいが必要量ということだろう。取水装置の改善で、もっと安定的に沢水がくるようにはしたいが、水深を深くして田んぼ自体がある程度保水できるようなことも検討課題だ。畦が崩壊しないように、という工夫が前提となる。

(*1)山崎不二夫 東大農学部 S35/07/27

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ルーキーファーマー

Author:ルーキーファーマー
房総半島大多喜町に山と耕作可能地が揃った素材を購入し、2009年初めから畑と田んぼを作り、半田舎暮らしとほとんど経験がなかった農業を始めた。2010年には農業従事者として認められ、農地も自己所有となる。更にご近所の畑を借り、規模を拡大して農家の仕事にあたっている。コメも野菜もやっており、週末農業の限界も感じていたが、2011年末に40年続けたサラリーマンを辞め、専業農家に脱皮した。農業以外には、定年世代の方々に帰農を勧める活動、子供に自然体験をさせること、農業体験を希望する方への協力などを推進していく。この辺りにご興味のある方は当BLOGにコメントなどで参加して下さい。

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